CTOブログ

集客でやらないことを、先に5つ決める ── 投稿を増やす前に、見る数字を来店側へ寄せる

投稿の本数は増えた。表示回数も伸びた。でも、来店は変わらない。

ChatGPTを使うと、文章も企画もいくらでも作れます。だからこそ先に決めるのは、やらないことのほうです。この記事では、集客でやらない5つと、代わりに見る数字を説明します。増やす話は出てきません。

この記事で分かること

  1. 表示回数と来店のあいだにある距離
  2. 集客でやらない5つ(本数・使い回し・盛る・一位・フォロワー数)
  3. 「地域No.1」がどう受け取られるか(調査データ)
  4. 代わりに数える、来店に近い5段階と7日間の記録
カウンターに広げた大量の投稿案。3枚に赤い×印、手前に1枚だけ残されている
作れる量が増えたぶん、出さない判断のほうが効きます

01表示回数と来店のあいだには、距離がある

投稿の表示回数や「いいね」は、参考にはなります。ただし、それだけで集客がうまくいったとは判断できません。表示された人のうち、店まで来る人はごく一部だからです。

間に何段階あるかを並べると、はっきりします。

お客様の反応を、来店に近い順に並べる 1 見た 表示回数・いいね 2 移動した プロフィール・サイト 3 動いた 道順・電話・予約 ここから数える 4 来店した きっかけを聞く 5 買った 対象商品の販売数 1と2は「届いた量」。3から先が「店に向かった数」で、増減の意味が違う 全部を完璧に追う必要はない。3・4・5を数えるだけで判断は変わる
1と2だけを見ていると、伸びているのに来ない、が起きます

1と2は「どれだけ届いたか」、3から先は「どれだけ店に向かったか」です。改善したいのが来店なら、見る場所は後ろ側になります。

02やらないこと1・2 ── 本数を増やす/同じ文章を貼る

投稿本数だけを増やさない

来店までの情報が途中で切れているとき、発信量を増やしても結果は変わりません。営業時間が分からない、場所が分かりにくい、予約方法が書いていない。まずそこを埋めるほうが早く効きます。

すべての媒体に同じ文章を貼らない

検索から来た人は営業時間や場所を知りたい。SNSを見ている人は雰囲気や新商品を知りたい。店頭のお客様はもう店の前にいます。知りたいことが違う相手に、同じ文章は届きません

1本の内容を媒体ごとに書き分ける手順は別の記事で扱っています。ここでは「同じものを貼らない」とだけ決めておきます。

03やらないこと3 ── 実際よりよく見せない

生成した画像は、実物と違うものを平気で作ります。存在しない盛り付け、実際とは違う店内、扱っていないサービス。

期待して来たお客様が「話が違う」と感じた時点で、その一回の集客は失敗どころか損失になります。表示の適正さは、公開する直前にまとめて確認するより、作る段階でやらないと決めておくほうが確実です。

公開直前のチェック手順は公開前チェックの記事にまとめています。

04やらないこと4 ── 根拠のない一位や人気を作らない

「地域No.1」「人気No.1」「お客様満足度No.1」。ChatGPTに販促文を書かせると、こうした言葉が自然に入ってきます。削ってください。

消費者庁が2024年に公表した「No.1表示に関する実態調査報告書」に、消費者1,000人へ聞いた調査があります。No.1表示のサンプルを見せて、その根拠として「実際にその商品やサービスを利用した人に調査していると思うか」を尋ねた結果です。[1]

「実際の利用者に調査をしていると思う」と答えた割合 消費者1,000人・単一回答(とても当てはまる+やや当てはまる) 人気No.1 57.7% 顧客満足度No.1 56.8% コスパが良いと思うNo.1 49.1% 利用したいNo.1 47.5% おすすめしたいNo.1 45.4% 出典: 消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(2024年9月)
書いた側が思っているより、はるかに具体的に受け取られています

「人気No.1」で57.7%、「顧客満足度No.1」で56.8%。半数以上の人が、実際に使った人に聞いた結果だと受け取っています。同じ調査で「他社より優れていると思う」と答えた割合も5割を超えました。報告書は、実際の利用者の評価だと認識するからこそ優れていると認識する、という関係を指摘しています。

そして、合理的な根拠に基づかず事実と異なる場合は、景品表示法上問題となると明記されています。

店主の側に悪気がなくても、受け取られ方は変わりません。確認できないことは書かない。これが一番簡単な線引きです。人気があると伝えたいなら、「毎週金曜に売り切れます」のように、店で確かめられる事実に置き換えます。

この調査は一般消費者1,000人へのWebアンケートで、店舗の看板やSNS投稿だけを対象にしたものではありません。表示の適否は個別の判断になるため、迷う表現は使わないのが安全です。

05やらないこと5 ── フォロワー数を最終目的にしない

フォロワーが増えると、進んでいる感覚があります。ただ、小さなお店に必要なのは、世界中の1万人より、来られる距離にいる10人かもしれません。

遠方のフォロワーが増えても、火曜の午後は静かなままです。数字を目標にするなら、来店に近い側から選びます。

06代わりに数える ── 7日間の記録シート

完璧な計測は要りません。紙一枚で足ります。

手書きの7日間集客記録シート。項目ごとに正の字で数え、2行に赤丸が付いている
数えるのは7項目。うち2つに丸が付けば、次の一手は決まります

コピーして使えます

【7日間の集客記録】

Googleの道順検索:
Googleの電話ボタン操作:
Webサイト・予約先への移動:
Instagramを見たという来店:
通りがかりの来店:
紹介での来店:
対象商品の販売数:
お客様が実際に使った言葉:

Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスでは、プロフィールの表示、検索語句、道順、電話ボタンの操作、Webサイトへの移動などを確認できます。使える項目は店の種類や設定によって変わります。[2] 店頭では「Google」「Instagram」「通りがかり」「紹介」と聞いて数えるだけで十分です。

一週間分がたまったら、ChatGPTに渡します。断定させない条件を必ず付けます。

コピーして使えます

7日間の集客テストの結果です。

[実行したこと]
[実行前の数字]
[実行後の数字]
[お客様から聞いた言葉]

次の順に整理してください。

1. 数字から確認できる事実
2. まだ分からないこと
3. 考えられる理由。必ず「仮説」と表示する
4. 続けること
5. 次の7日間で一つだけ変えること

この施策だけが原因だと断定しないでください。

雨が続いた。近所で行事があった。商品が早く売り切れた。一週間の数字は、施策以外の理由でも動きます。だから「仮説」と書かせます。

07まとめ ── 増やす前に、減らす

  • 投稿本数だけを増やさない ── 来店までの情報が切れていないか先に見る
  • すべての媒体に同じ文章を貼らない ── 検索・SNS・店頭で知りたいことは違う
  • 実際よりよく見せない ── 生成画像も、扱っていないサービスも出さない
  • 根拠のない一位や人気を作らない ── 半数以上が「実際の利用者に聞いた結果」と受け取る
  • フォロワー数を最終目的にしない ── 来られる距離の10人を優先する

そのうえで数えるのは、道順・電話・予約・来店・購入の5つだけ。表示回数が増えたかどうかより、店に向かった人が増えたかどうかを見ます。

ChatGPTは、いくらでも案を出します。減らす判断は、店主にしかできません。

[1] 消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(2024年9月26日公表/2026年7月22日確認)。消費者意識調査は一般消費者1,000人・単一回答。No.1表示のサンプルについて「実際の利用者に調査をしていると思う」と回答(とても当てはまる+やや当てはまる)した割合は、人気57.7%、顧客満足度56.8%、コスパ49.1%、利用したい47.5%、おすすめしたい45.4%。同報告書は、合理的な根拠に基づかず事実と異なる場合は景品表示法上問題となるとしている。https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/survey/assets/representation_cms216_240926_02.pdf

[2] Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」(2026年7月22日確認)。確認できる項目や表示は仕様変更される場合がある。https://support.google.com/business/answer/9918094

甲斐ショウジ

この記事を書いた人

甲斐ショウジ株式会社GMJ 代表取締役CTO兼CAIO

20年超のIT事業経験とGoogle関連事業での実績を基に、多数のAIシステムの開発を主導。AIとMEOで、小さなお店・中小企業の経営を強くする実践情報を発信しています。

CTOブログの記事一覧へ

関連記事

TOP
目次