CTOブログ

新しいお客様は、あなたの店名を知らない ── 探されている言葉で、店を説明し直す

店のことを発信しているのに、新しいお客様に見つけてもらえない。そう感じているなら、原因は発信の量ではないかもしれません。

大事な前提が1つあります。新しいお客様は、あなたの店名を知りません。知らない名前で検索することはできないので、その人たちは代わりに「自分の状況を表す言葉」で探しています。この記事は、その言葉をどう見つけて、店の説明にどう入れるかの話です。

この記事で分かること

  1. 新しいお客様が実際に使っている言葉の形
  2. Google公式が説明する「関連性」の意味
  3. ChatGPTが出した言葉を、そのまま信じてはいけない理由
  4. 本当の言葉を、店の中から集める5つの場所
住宅街の小さな菓子店の店先。看板もA型黒板も無地で名前がなく、窓越しに個包装の焼き菓子の箱が並んでいる
名前は知らなくても、「何が買える店か」は伝わる。探されるのはそちらです

01常連は店名で探す。新しいお客様は店名を知らない

常連のお客様は、店名で検索します。だから「店名で調べると出てくる」ことをもって、見つけてもらえていると思ってしまいがちです。

でも、新しいお客様はその名前を知りません。知らない言葉は、打ち込めません。だから、店名を前面に出した発信をどれだけ増やしても、まだ出会っていない人には届かないのです。

02新しいお客様は「自分の状況」で探している

では何と打つのか。多くの場合、探しているのは店ではなく自分の困りごとの解決です。たとえば焼き菓子店なら、こんな言葉になります。

新しいお客様が打ちそうな言葉(例)

近く 手土産 焼き菓子[地域名] お菓子 ギフト個包装 お菓子 近く今日買える 手土産[駅名] クッキー 贈り物

「今日中に」「個包装で」「近くで」── どれも状況の言葉です。店名は1つも入っていません。ここに、店の説明とお客様の言葉のズレが生まれます。

03Google公式の説明でも、鍵は「関連性」

これは感覚の話ではありません。Googleの公式ヘルプは、ローカル検索の結果は主に「関連性」「距離」「知名度」に基づいて表示されると説明しています。[1]

要素 公式の説明
関連性 検索語句とビジネスプロフィールが合致する度合い。より的確な情報を提供すると、検索語句との関連性を高められる
距離 検索しているユーザーから各ビジネスまでの距離
知名度 ビジネスがどれだけ広く知られているか

注目してほしいのは関連性です。公式の言葉で「検索語句とビジネスプロフィールが合致する度合い」とされています。[1] つまり、お客様が使う言葉が、店の情報の中に書かれているかどうかが効いてくるということです。

公式ヘルプはさらに、ビジネス情報が充実していて正確なほど表示される可能性が高く、情報が正確でないと「所在地で関連性の高い語句が検索されても表示されない場合がある」とも書いています。[1]

これは「順位を上げる方法」の話ではありません。Googleはランキングの詳細な仕組みを公開しておらず、上位表示を保証できる手段もありません。ここで扱うのは、店の情報を、お客様が使う言葉で正確に書いておくという当たり前の整備です。仕様は変わることがあるため、実際の画面と違う場合は公式ヘルプの最新情報を確認してください(2026年7月24日時点)。

04ChatGPTが出した言葉を、「人気キーワード」と思わない

ここからがChatGPTの出番ですが、最初に大事な注意があります。

ChatGPTに「うちの店はどんな言葉で探されますか」と聞けば、それらしい言葉がいくつも返ってきます。しかしそれは候補であって、実際に検索されている言葉の証拠ではありません。ChatGPTは検索数を数えているわけではないからです。

ChatGPTができるのは、考えつかなかった言い方を広げること。決めるのは店主で、確かめるのは次に説明する現場の記録です。ここを取り違えると、誰も使っていない言葉に店の説明を寄せてしまいます。

05本当の言葉は、店の中に落ちている

店のカウンターに置かれた木のトレイ。無地の小さなメモ片が十数枚たまっており、脇に電話の受話器とペンがある
1枚ずつ拾った言葉が、いちばん確かな材料になる

お客様が本当に使っている言葉は、次の5つの場所から集められます。

  1. 店頭や電話で受けた質問
    「今日持って帰れる箱はありますか」「1,500円くらいで手土産にできますか」。この言い回しがそのまま材料です。
  2. 口コミに書かれている言葉
    お客様が自分の言葉で書いた説明。店側が使っていない表現が見つかります。
  3. 問い合わせのメールやメッセージ
    文字で残っているぶん、書き写しやすい材料です。
  4. Googleビジネスプロフィールの検索語句
    公式のパフォーマンス機能で「ビジネスの検索に使用された検索語句」を確認できます。[2]
  5. スタッフが実際に聞いた会話
    「〇〇って置いてますか」と聞かれた回数を、メモしておきます。

④について、公式ヘルプに書かれている仕様です。パフォーマンスデータはオーナー確認済みのプロフィールでのみ利用でき、指標は毎月月初に更新、表示までに5日ほどかかることがあります。また「これらの検索語句は直接管理できません」と明記されています。[2] 数字を操作するものではなく、あくまで「お客様の言葉を知る窓」として使ってください。

06集めた言葉を、ChatGPTで整理する

メモが20枚ほどたまったら、整理してもらいます。言葉を作らせるのではなく、集めた言葉を整えさせるのがポイントです。

コピーして使えます

お客様から実際に聞かれた言葉を貼ります。
これを整理してください。
あなたが新しい言葉を作り足さないでください。

【店の基本情報】
[業種・場所・主な商品・価格帯]

【実際に聞かれた言葉(そのまま)】
・今日持って帰れる箱はありますか
・1,500円くらいで手土産にできますか
・職場で配れる個包装はありますか
・[以下、集めたメモをそのまま貼る]

【整理してほしいこと】
1. 同じことを聞いている言葉をまとめる
2. お客様が気にしている点を、多い順に並べる
3. その言葉のうち、店の説明文に今は書かれていないもの
4. 店の説明文のどこに書けばよいか(案内文・紹介文など)

【守ってほしいこと】
・私が貼っていない言葉を足さないでください
・検索されている回数や人気度を推測しないでください
・上位表示できるといった保証は書かないでください

最後の2行を入れておくと、根拠のない「このキーワードが人気です」という答えを防げます。出てきた整理をもとに、店の案内文や紹介文を、お客様の言い方に寄せて書き直します

店の基本情報そのものが整理できていない場合は、先に店の基本カードの記事から始めてください。

07まとめ ── 店名ではなく、探されている言葉で書く

  • 新しいお客様は店名を知らない ── 知らない言葉では検索できない
  • 探しているのは店ではなく解決 ── 「近く」「今日」「個包装」など状況の言葉
  • 公式の鍵は「関連性」 ── 検索語句と店の情報が合致する度合い
  • AIの言葉は候補にすぎない ── 人気キーワードの証拠ではない
  • 本当の言葉は店の中にある ── 質問・口コミ・問い合わせ・検索語句・会話

集客の流れ全体(発見→興味→安心→来店)はこちらの記事に、何を数えるかは集客でやらないことの記事にまとめています。本記事はその一番手前、「そもそも、どんな言葉で探されているか」の部分です。

今週やることは1つです。カウンターに小さな紙を置いて、お客様から聞かれた言葉をそのまま書き留めてください。1週間ぶんの言葉が、次の説明文を教えてくれます。

[1] Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」(日本語版・2026年7月24日確認)。ローカル検索結果は主に「関連性」「距離」「知名度」に基づいて表示され、これらを組み合わせて最適な検索結果が表示されると説明されている。関連性は「検索語句とビジネス プロフィールが合致する度合い」を指し、ビジネスについてのより的確な情報を提供すると検索語句との関連性を高めることができるとされる。またビジネス情報が充実していて正確なほどローカル検索結果に表示される可能性が高く、情報が正確でない場合は所在地で関連性の高い語句が検索されても表示されない場合があると記載されている。ランキングの詳細な仕組みは公開されておらず、上位表示を保証するものではない。https://support.google.com/business/answer/7091

[2] Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」(日本語版・2026年7月24日確認)。パフォーマンスデータはオーナー確認済みのビジネス プロフィールでのみ利用でき、「検索」の指標として「ビジネスの検索に使用された検索語句」を確認できる。指標は毎月月初に更新され、表示されるまでに5日ほどかかることがある。また「これらの検索語句は直接管理できません」と明記されている。https://support.google.com/business/answer/9918094

甲斐ショウジ

この記事を書いた人

甲斐ショウジ株式会社GMJ 代表取締役CTO兼CAIO

20年超のIT事業経験とGoogle関連事業での実績を基に、多数のAIシステムの開発を主導。AIとMEOで、小さなお店・中小企業の経営を強くする実践情報を発信しています。

CTOブログの記事一覧へ

関連記事

TOP
目次