「この前話した内容、覚えているんですか」
ChatGPTには、やり取りから覚えた内容を次の回答に使う機能があります。毎回説明する手間が減る一方で、店の情報をどこまで覚えさせるかは自分で決める必要があります。この記事では、覚えさせてよいもの・いけないものを整理し、いまの中身を確認して消すところまで説明します。
この記事で分かること
- 使っている店ほど情報の扱いが気になる、という調査結果
- メモリーに覚えさせる情報と、覚えさせない情報の分け方
- いま何を覚えているかを確認し、消す手順
- 「消したつもりで消えていない」を防ぐ順番と、一時チャットの使い分け

01使っている店ほど、情報の扱いが気になっている
中小企業基盤整備機構の調査では、AI導入の阻害要因として「セキュリティ・情報漏洩の懸念」を挙げた割合は全体で17.5%でした。ところが導入状況で分けると、様子が変わります。[1]
使う前は「なんとなく不安」、使い始めると「どこまで入れていいのか」という具体的な問いに変わる、ということだと読めます。この記事は、その具体的な問いのうちメモリー(覚える機能)だけを扱います。
02覚えさせるのは「店の前提」、覚えさせないのは「動く情報」
メモリーは、小さな店にとって強い機能です。業種、商圏、主なお客様、文章の雰囲気、避けたい言い方——毎回説明していたことを、一度で済ませられます。
価格や営業時間は、覚えさせると便利そうに見えます。けれど変わったあとに古い内容が混ざると厄介です。いつも最新でなければならない情報は、価格表や予約システムという正本へ戻します。
判断に迷ったら、安全な使い方の記事の青・黄・赤の3色を先に決めてください。

03いま何を覚えているか、月に一度たしかめる
まずChatGPTに直接聞きます。
コピーして使えます
この店について、現在どのようなことを覚えていますか。 次の3つに分けてください。 1. 今後も役立つ、変わりにくい前提 2. 古くなった可能性がある情報 3. 保存しないほうがよい情報
回答だけで終わらせません。設定画面も開きます。
2026年7月時点では、設定(Settings)の「パーソナライズ(Personalization)」の中に「メモリー(Memory)」があります。ここにメモリー要約が表示され、覚えている内容を読んだり直したりできます。[2]
ただし公式ヘルプには、要約にはすべてが含まれるとは限らないと書かれています。気になることがあれば、チャットで直接聞くのが早い、とも案内されています。
04「消したつもり」で消えていないことがある
ここが、今回いちばん伝えたい点です。
メモリーの3点メニューには「メモリーを削除してオフにする」があります。ただし公式ヘルプには、この操作では過去のチャットは削除されないと明記されています。そしてあとでメモリーをオンに戻すと、履歴に残っているチャット(古いものを含む)から新しいメモリーが作られることがあるとも書かれています。[2]
つまり、いったん入力した情報を本当に消したい場合、メモリーだけでは足りません。公式ヘルプは、過去のチャット、アーカイブしたチャット、ファイル、メモリー要約、接続したアプリ——その情報が存在するすべての場所を消す必要がある、と案内しています。[2]
だから順番はこうなります。
- 入れない(いちばん確実)
- 入れてしまったら、メモリーだけでなく元のチャットとファイルも消す
- 消したあと、もう一度「何を覚えていますか」と聞いて確かめる
05見せたくない相談は、一時チャットで
公式ヘルプによると、一時チャット(Temporary Chat)は既存のメモリーを使わず、新しいメモリーも作りません。[2]
店で使うなら、こういう分け方になります。
| 使う場面 | どちらで |
|---|---|
| 販促文、投稿案、手順書づくり | 通常のチャット(店の前提を覚えさせて時短) |
| 数字を含む相談、人に関わる相談、まだ公にしていない企画 | 一時チャット |
06まとめ ── 月に一度の5分
- 2分 ── 「この店について何を覚えていますか」と聞き、3つに分けさせる
- 2分 ── 設定 > パーソナライズ > メモリーを開き、古い項目といらない項目を消す
- 1分 ── 今月から一時チャットに回す相談を1つ決める
入れてよい情報の線引きは安全な使い方の記事、公開前の確認はAIで作った投稿を公開する前のチェック、店の前提をまとめる基本カードはChatGPTを店の相談相手にする方法で扱っています。
覚えさせると便利になるのは、変わらないことだけです。
ここに書いた設定名と挙動は2026年7月22日時点のものです。ChatGPTの仕様は更新されます。実際に使うときは、設定画面と公式ヘルプで現在の内容を確認してください。
[1] 独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(2026年3月・2026年7月21日にPDFで確認)。表8「AI導入状況別の阻害要因」(複数回答)。「セキュリティ・情報漏洩の懸念」を挙げた割合は、全体17.5%(286件/n=1,636)、全社的に導入している企業29.8%(n=57)、一部の業務で導入している企業22.0%(n=273)、導入を予定・検討中22.0%(n=300)、導入予定はない企業14.1%(n=986)。全社導入企業は回答数が57社と少なく、比率の振れが大きい点に留意してください。回答企業の認識であり、因果関係を示すものではありません。smrj.go.jp(調査報告PDF)
[2] OpenAI Help Center「Memory FAQ」(2026年7月22日にページを開いて確認)。メモリーの管理は設定>パーソナライズ>メモリーであること、メモリー要約は自動更新されすべてを含むとは限らないこと、「メモリーを削除してオフにする」では過去のチャットは削除されず、メモリーを再度オンにすると履歴に残るチャットから新しいメモリーが作られる場合があること、情報を完全に削除するには過去チャット・アーカイブ・ファイル・メモリー要約・接続アプリなど元の情報源をすべて削除する必要があること、一時チャットは既存メモリーを使わず新しいメモリーも作らないことが案内されています。仕様は変更されるため、利用時点の公式ヘルプを確認してください。help.openai.com(Memory FAQ)
