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外国語対応は1枚から始める ── 多言語サイトを作る前に、英語の案内を1枚だけ試す

外国語の問い合わせが来た。店の前で案内を読めずに帰る人を見た。近くの宿から質問された——そんな事実があるなら、外国語対応を始める価値があります。ただしいきなり多言語サイトは作りません。まずは英語の案内を1枚だけ。反応を数えてから次を考える、というのが小さな店の順番です。

この記事で分かること

  1. 多言語サイトより先に「1枚」から始める理由
  2. 英語の案内1枚に入れる項目(花店の実例)
  3. 翻訳と同時に「確認用の日本語」を出させるプロンプト
  4. 誤訳の不利益が大きい情報の線引き(専門確認を残す)
花店の入口に置かれた、英語の案内カードとQRコードのスタンド
多言語サイトの前に、需要のある一言から。1枚なら今日作れる

01「1枚」から始める理由

多言語サイト、メニューの全翻訳、通訳アプリの導入——どれも費用と手間がかかり、しかも本当に需要があるか分からないまま始めることになります。逆に1枚なら、印刷代だけで今日試せて、外れても損はほぼゼロ。7日間の試験販売と同じ考え方です。

この方向は、国の調査とも一致します。2025年版小規模企業白書によると、新規顧客数の見通しが「増加」の小規模事業者は、経営戦略を考える際に「競合他社の動向」「個人消費の動向」、そして「ニッチな市場であること」を重視する割合が高い傾向がありました。[1] 訪日客や在住外国人は、多くの小さな店にとってまさに「ニッチな市場」。全面対応ではなく、小さく的を絞って試すのが理にかなっています。

いきなり多言語サイト 費用がかかる 公開まで時間がかかる 更新が止まると古い情報が残る → 需要が分からないまま先に投資 英語の案内を1枚だけ 印刷代だけで今日から試せる 直すのも差し替えるのも簡単 反応を数えてから次を決められる → 需要を確かめてから投資する 始めるきっかけは「問い合わせがあった」「読めずに帰る人がいた」という事実だけでいい
1枚は捨てられる。だから気軽に試せる

021枚に入れる項目 ── 花店の実例

前に紹介した花店のレッスンを、英語1枚にするとこうなります。飾りの言葉は要りません。予約に必要な事実だけです。

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ポイントは[ ]部分を空けたまま作らないこと。日付・予約方法・キャンセル条件は、必ず店の正式な情報を入れてから掲示します。

03翻訳と一緒に「確認用の日本語」を出させる

英語が読めないと、AIの訳が正しいか判断できません。だから英訳のあとに、確認用の日本語訳を付けさせます。逆方向に訳し戻してもらうことで、意味のズレが見えます。

コピーして使えます

次の日本語案内を、旅行中の英語話者にも分かる、
短く平易な英語へしてください。

条件:
- 日付、時間、価格、定員、含まれるものを変えない
- 日本独自の言葉には短い説明を付ける
- 効果や満足を保証しない
- 曖昧な箇所は訳さず「要確認」とする
- 英訳のあとに、確認用の日本語訳を付ける
- 誤解しそうな表現を別に指摘する

[正式な日本語案内]
(ここへ貼る)

「誤解しそうな表現を別に指摘する」の1行が効きます。たとえば「お一人様歓迎」を直訳すると、店によっては別の意味に取られることがある——そうした注意が返ってきます。

04翻訳を任せてよい情報、専門確認を残す情報

ここが一番大事な線引きです。誤訳による不利益が大きい情報は、AIの訳だけで掲示しません

AIの訳で試してよい 商品・体験の内容説明 所要時間・定員・価格 営業時間・場所・行き方 写真撮影の可否などの店内ルール ※日本語の正本と数字を必ず照合 専門確認を残す アレルギー・食品成分 健康・安全に関わる注意 契約・返金・キャンセル料 保険・免責・年齢制限 ※ネイティブ話者や専門家の確認へ 誤訳が「不便」で済む情報と、「危険・トラブル」になる情報を最初に分ける
試すのは左側だけ。右側は1枚に載せない、が最初の安全策

そして英語を出しただけで、海外需要が確認できたことにはなりません。案内を見た人数、QRコードからの閲覧、質問、予約——反応を数えます。数が出てから、予約ページやFAQを整えれば十分です。

花店のレジ横に置かれた、反応を数える小さな正の字メモ
「見た人/聞かれたこと/予約」を正の字で数えるだけで判断材料になる

05まとめ ── 今週の30分でやること

  • 外国語の問い合わせや、読めずに帰った人の事実をメモする
  • いちばん需要がありそうな案内を1つだけ選ぶ
  • 翻訳プロンプトで英訳+確認用の日本語を出させる
  • アレルギー・契約・返金は1枚に載せない(専門確認へ)
  • 掲示したら、見た人・質問・予約を正の字で数える

試験の設計は7日間テストの記事、公開前の確認は公開前チェックの記事で扱っています。多言語対応は「全部やるか、やらないか」ではありません。1枚から始めれば、需要のある言語と場面だけに、確かめながら広げていけます。

[1] 中小企業庁「2025年版 小規模企業白書」第2部第1章第1節 第2-1-24図(2026年7月確認)。新規顧客数の見通し別に、経営戦略や新規事業を検討する際に重視する外部環境を確認したもの。見通しが「不変・減少」の事業者と比べ、「増加」の事業者は「競合他社の特徴・動向」「個人消費の特徴・動向」「ニッチな市場であること」と回答した割合が高い。回答事業者の見通しの集計であり、因果関係を断定するものではありません。chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/shokibo/b2_1_1.html

甲斐ショウジ

この記事を書いた人

甲斐ショウジ株式会社GMJ 代表取締役CTO兼CAIO

20年超のIT事業経験とGoogle関連事業での実績を基に、多数のAIシステムの開発を主導。AIとMEOで、小さなお店・中小企業の経営を強くする実践情報を発信しています。

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