「うちの強みは何ですか」と聞かれて、すぐ答えられる店主は多くありません。ひねり出すと「長年の経験」「丁寧な接客」——どの店でも言える言葉になります。でも強みは、考えて作るものではなくお客様の言葉から掘り出すもの。10件の生の言葉を集めてChatGPTに整理させるだけで、机の上では出てこなかった「選ばれる理由」が見つかります。
この記事で分かること
- 店主が思う強みと、お客様が言う強みのズレ(眼鏡店の実例)
- 10件の「生の言葉」をどこから集めるか
- 事実と推測を分けさせる整理プロンプト
- AIが物語を作り始めたときの止め方

01店主が思う強みと、お客様が言う強みは違う
大型店の近くにある、25年続く小さな眼鏡店。店主とスタッフ1人で営業し、40〜70代のお客様が中心です。遠近両用を初めて作る人や、以前の眼鏡が合わず不安になった人も来ます。店主は自店の強みを「長年の経験と丁寧な接客」だと思っていました。ところが口コミや会話を集めると、お客様はまったく別の言葉を使っていました。
「すぐ決めるように急かされなかった」 「レンズの違いを、図にして説明してくれた」 「前の眼鏡で何が不便だったかを聞いてくれた」 「買ったあとも、何度か調整してもらえた」 「仕事用と運転用を分けた方がよい理由が分かった」
この店の価値は商品数の多さではなく、選ぶことに不安がある人が、急かされずに困りごとを整理し、購入後まで相談できること。店主が机の上で考えた宣伝文句ではなく、お客様の言葉から見つけた候補です。
0210件の「生の言葉」をどこから集めるか
最初から100件は要りません。10件を目安に、次の場所から集めます。
03整理は「魅力的に書いて」ではなく「事実と推測を分けて」
集まったら、ChatGPT(対話型のAIサービス)に整理させます。ここで頼み方を間違えないこと。「魅力的に書いて」と頼むと、物語が始まってしまいます。
コピーして使えます
以下は、お客様が実際に話した言葉と、 自店に寄せられた口コミの要約です。 この中から、当店が選ばれている理由を整理してください。 次の五つに分けてください。 1. 来店前に抱えていた不安 2. 繰り返し褒められている行動 3. 購入を決めた理由 4. 再来店した理由 5. 他店でも言える一般的な表現ではない、具体的な出来事 お客様が言っていないことは作らないでください。 「お客様の原文」「店主による要約」「AIの推測」を分けてください。 最後に、追加で確認したいことを一問だけ質問してください。 [ここに、個人情報を除いた言葉を10〜20件貼る]
それでも「常連に愛される名店」「一人ひとりに最適な提案」といった、確認していない表現が出てきたら、いったん止めます。
コピーして使えます
表現をきれいにする前に、根拠を確認します。 それぞれの強みについて、 ・根拠になったお客様の言葉 ・店が実際にしている行動 ・まだ確認できていないこと を並べてください。

集める場所として口コミが最有力なのには理由があります。米国の調査では、地元の店の評判を調べる場所はGoogleが83%、74%の人が2つ以上の情報源を確認してから店を決めていました。[1] お客様が読んでいる場所には、お客様自身の言葉が貯まっている——そこが最初の鉱脈です(米国の調査であり、日本の店にそのまま当てはまるとは限りません)。
04まとめ ── 選ばれる理由は、作るより掘り出す
- 自分が思う強みを、先に紙に書いておく(後で答え合わせに使う)
- 6か所から生の言葉を10件集める(個人情報は外す)
- 「事実・要約・推測を分けて」整理させる
- きれいな表現が出てきたら、根拠になった言葉を並べさせる
- 店主の想像と一致しなかった言葉こそ、太字にして残す
掘り出した理由を一文に磨き、場所ごとに言い換える方法は差別化の記事で、口コミへの返信の書き方は口コミ返信の記事で扱っています。集めた言葉は店の基本カードの「お客様がよく褒めてくれること」欄にそのまま書き写せます。強みは、まだ言葉になっていないだけで、もう店にあります。
[1] BrightLocal「Local Consumer Review Survey 2025」(米国成人1,026人対象・2026年7月確認)。地元企業の口コミ・評判を調べる場所はGoogleが83%(2024年81%から上昇)で最多、74%が2つ以上の情報源を確認してから利用する店を決めると回答。米国の消費者調査であり、日本の店舗にそのまま当てはまるとは限りません。brightlocal.com/research/local-consumer-review-survey/
